サイトリニューアルでSEOに失敗しないための全手順|順位下落を防ぐチェックリスト

サイトリニューアルで SEOに失敗しないための全手順

Webサイトのリニューアルは、デザインを一新し、ユーザー体験を向上させ、ビジネスを加速させる絶好の機会です。しかし、その裏側には**「検索順位の大幅な下落」**という重大なリスクが潜んでいることをご存知でしょうか。

適切なSEO対策を怠ったリニューアルは、これまで積み上げてきた検索エンジンからの評価をすべて失い、アクセス数を半減させてしまうことさえあります。

この記事では、SEOコンサルタントの視点から、サイトリニューアルで失敗しないための全手順と、抜け漏れを防ぐための具体的なチェックリストを徹底的に解説します。戦略的にリニューアルを進め、SEO評価をさらに向上させるための羅針盤としてご活用ください。

目次

はじめに:サイトリニューアルに潜むSEOリスクとは?

なぜ、サイトリニューアルで検索順位が下落してしまうのでしょうか。その原因は、主に以下の3つに集約されます。

  1. 不適切なURL変更とリダイレクト設定の漏れ: ページのURLが変わったにもかかわらず、「このページはここに引っ越しました」という通知(301リダイレクト)を検索エンジンに出し忘れることで、ページの評価が引き継がれずゼロになってしまう。
  2. 重要なコンテンツの削除・変更: これまでアクセスを集めていたページや、多くの被リンクを受けていたページを、リニューアルの過程で誤って削除・大幅に変更してしまい、評価を失う。
  3. 検索エンジンがクロールしにくいサイト構造への変更: デザイン性を重視するあまり、検索エンジンがサイト内の情報を収集(クロール)しにくい構造にしてしまい、インデックスされないページが増える。

しかし、これらのリスクは適切な知識と手順で回避できます。それどころか、リニューアルは既存のSEO課題を解決し、評価を大きく向上させるチャンスでもあります。


[グラフ] サイトリニューアルによる流入数変化の成功例・失敗例

(グラフはイメージです。成功すれば流入が150%以上に増加する一方、失敗すれば50%以下に急落するケースも珍しくありません)


【フェーズ1】計画・準備編|リニューアル成功の9割はここで決まる

リニューアルプロジェクトが始まると、デザインや機能に目が行きがちですが、最も重要なのは「準備」です。ここでの分析と計画が、プロジェクト全体の成否を左右します。

1-1. 目的とKGI/KPIを明確にする

まず、「なぜサイトをリニューアルするのか」という目的を言語化しましょう。

  • デザインが古くなったから
  • スマートフォンに対応するため(モバイルフレンドリー化)
  • サービス内容が変わり、情報が古くなったから
  • お問い合わせや資料請求(コンバージョン)を増やしたいから

目的が明確になれば、達成度を測るための指標(KGI/KPI)を設定できます。例えば、「お問い合わせを増やしたい」なら、KGIは「お問い合わせ数」、KPIは「セッション数」「コンバージョン率」などが考えられます。

MCOT’s EYE:目的によってSEO戦略は変わる ブランディング目的なら、デザインや世界観を伝えるページの評価向上が目標になります。一方、リード獲得が目的なら、サービス詳細ページや導入事例ページの検索順位を上げ、コンバージョンに繋げることが最優先のSEO戦略となります。

1-2. 現状のSEO評価を徹底的に分析・把握する

新しいサイトを設計する前に、現在のサイトが検索エンジンからどのように評価されているか、財産を把握する必要があります。特に以下の情報は必ず記録・保存しておきましょう。

  • 流入キーワードと順位の記録: どのキーワードで、どのページが、何位に表示されているか。
  • アクセスの多いページ: Googleアナリティクスで、オーガニック検索からのランディングページ上位100位などは必ずリスト化します。
  • 被リンクを獲得しているページ: 外部のサイトからリンクされているページは、SEO評価が特に高いページです。リストアップして、必ず評価を引き継げるようにします。

使用ツール:

  • Googleアナリティクス: [集客] > [すべてのトラフィック] > [チャネル] > [Organic Search] でランディングページを確認。
  • Googleサーチコンソール: [検索パフォーマンス]でクエリとページを、[リンク]で外部リンクが多いページを確認。

1-3. 新サイトの要件定義とキーワード戦略

現状分析が終わったら、新しいサイトの設計図を描きます。

  • ターゲットユーザーの再設定: どんなユーザーにサイトに来てほしいかを改めて定義します。
  • 新しいサイト構造(ディレクトリ構造)の設計: ユーザーと検索エンジンが理解しやすいように、情報を整理し、階層構造を決定します。「トップページ > カテゴリ > 詳細ページ」のような形が基本です。
  • キーワード戦略の策定: 現状のキーワードに加え、ビジネスゴール達成のために新たに狙うべきキーワード、強化すべきキーワードを洗い出し、どのページで対策するかをマッピングします。

【フェーズ2】設計・制作編|SEOの骨格を作る重要ポイント

計画が固まったら、いよいよ制作フェーズです。ここでは、SEOの内部対策における技術的な骨格を作ります。

2-1. SEOに強いURL構造を設計する

URLはインターネット上の「住所」です。分かりやすい住所は、ユーザーにとっても検索エンジンにとっても親切です。

  • シンプルで分かりやすいURL: https://mcot.jp/service/seo-consulting のように、URLを見るだけでページの内容が推測できるのが理想です。
  • キーワードを含める際の注意点: 日本語URLも可能ですが、長くなりすぎたり、SNSで共有した際にエンコードされて長大な文字列になったりするデメリットも。基本的には意味のわかる英単語をハイフン - で繋ぐのが推奨されます。

2-2. 内部リンク構造の最適化

サイト内のページ同士を繋ぐリンクを「内部リンク」と呼びます。これはサイトの評価を効率よく循環させるための「血管」のようなものです。

  • 重要なページに内部リンクを集める: トップページや、最もコンバージョンに近いサービスページなど、SEOで上位表示させたいページに向けて、関連するページからリンクを張りましょう。
  • パンくずリストの設置: 「トップ > カテゴリ > 現在のページ」のように、サイト内での現在地を示すパンくずリストは、ユーザビリティとSEOの両面で非常に重要です。
  • 関連コンテンツへの導線確保: 記事の最後に関連記事を提示するなど、ユーザーが回遊しやすい導線を確保します。

2-3. コンテンツ移行計画を立てる

リニューアル時に最も注意すべき点の一つがコンテンツの扱いです。

  • 既存コンテンツは削除せず、原則すべて移行する: アクセスが少ないページでも、ニッチなキーワードで流入していたり、被リンクを受けていたりする可能性があります。安易に削除せず、必ず新サイトに移行しましょう。
  • 低品質なコンテンツの取り扱い: 明らかに内容が古い、重複しているなどの低品質なコンテンツは、この機会にリライト(加筆・修正)するか、noindexタグで検索結果に表示されないようにするか、戦略的に判断します。

MCOT’s EYE:コンテンツ移行は「お引越し」。荷物を忘れないように。 サイトリニューアルは、古い家から新しい家に引っ越すようなものです。家具や家電(=コンテンツ)をうっかり捨ててしまうと、新居での生活が成り立ちません。どの荷物(コンテンツ)を、新居のどの部屋(新URL)に持っていくのか、事前に「引越しリスト」を作成することが失敗を防ぐ鍵です。

2-4. モバイルフレンドリーとページ表示速度(コアウェブバイタル)

現代のSEOにおいて、この2つは必須要件です。

  • レスポンシブデザインの採用: PC、タブレット、スマートフォンなど、どのデバイスで見ても表示が最適化されるレスポンシブデザインは標準と考えましょう。
  • 画像サイズの最適化、ソースコードの圧縮: ページの表示速度はユーザー体験と検索順位に直結します。特に画像のファイルサイズは、表示速度を遅くする最大の原因です。必ず圧縮して軽量化しましょう。

【フェーズ3】公開前チェック編|失敗を防ぐ最終確認

いよいよサイト公開が近づいてきました。公開ボタンを押す前に、テスト環境で最終チェックを行います。ここでの見落としが、致命的な順位下落に繋がります。

3-1. テスト環境での最終チェックリスト

以下のリストを使い、担当者とダブルチェックしながら進めてください。

[表] 公開直前!SEO設定15のチェックリスト | チェック項目 | 確認内容 | | :— | :— | | 301リダイレクト設定 | 旧URLから新URLへ正しく転送されるか(最重要) | | title, description | 各ページでユニークかつ最適化されているか | | h1タグ | 各ページに1つだけ、適切に設定されているか | | canonicalタグ | 重複コンテンツがある場合に正規URLを指定しているか | | noindex設定 | テスト環境のnoindexが本番で解除されているか | | XMLサイトマップ | 新しいURL構造で生成・設置されているか | | robots.txt | 重要なページのクロールをブロックしていないか | | ページ表示速度 | Google PageSpeed Insightsで合格点か | | モバイル表示 | スマートフォンでレイアウト崩れなく表示されるか | | 構造化データ | 正しくマークアップされているか | | 404ページ | リンク切れの際に表示されるページが設定されているか | | GA/GSC設定 | トラッキングコードが全ページに設置されているか | | 内部リンク切れ | サイト内のリンクにリンク切れがないか | | 画像のalt属性 | 重要な画像に内容を説明するテキストが設定されているか | | フォームの動作確認 | お問い合わせフォームなどが正常に動作するか |

3-2. 最も重要!「301リダイレクト」の設定

チェックリストの中でも、301リダイレクトはリニューアルの成否を分ける最も重要な設定です。

これは、ページのURLが恒久的に変更されたことを検索エンジンに伝える信号です。これを正しく設定することで、旧ページが持っていたSEO評価(被リンクなど)を、新しいページに引き継ぐことができます。

  • URLごと(一対一)に設定するのが原則: 旧サイトのページと、それに対応する新サイトのページを、一つひとつ丁寧に対応付けます。
  • 設定漏れがないか確認する方法: 公開前に、旧URLのリストを元に、すべて新URLへリダイレクトされるか手動またはツールで確認します。

【フェーズ4】公開後作業編|安定化と改善

サイトの公開はゴールではなく、新しいスタートです。リニューアル後の効果を最大化するため、適切なモニタリングと改善活動が不可欠です。

4-1. 公開直後に必ず実施すべきこと

  • Googleサーチコンソールでのインデックス登録リクエスト: サイトが新しくなったことをGoogleにいち早く知らせ、クロールを促します。
  • XMLサイトマップの送信: 新しいサイトのページ一覧(サイトマップ)をサーチコンソール経由で送信します。
  • Googleアナリティクスでのトラフィック監視: リアルタイムレポートなどで、アクセスが正常に計測できているか、急激な減少がないかを確認します。

4-2. サーチコンソールでのエラー監視

リニューアル後は、サーチコンソールにエラー通知が届きやすくなります。特に注意して確認しましょう。

  • クロールエラー(404エラーなど): リダイレクト設定の漏れや内部リンク切れが原因で発生します。見つけ次第、リダイレクト設定やリンクの修正を行います。
  • インデックスカバレッジの確認: サイトのページがGoogleに正しく認識(インデックス)されているかを確認し、問題があれば原因を調査します。

4-3. 検索順位と流入数の定点観測

リニューアル後、検索エンジンの評価が安定するまでには1〜3ヶ月かかることもあります。その間、順位が一時的に下落することもありますが、慌てずに状況を注視しましょう。

  • 順位・流入のモニタリング: 対策キーワードの順位や、オーガニック検索からの流入数を定期的にチェックします。
  • 下落ページの原因究明と改善: もし特定のページの順位が戻らない場合、リニューアル前後でコンテンツが大きく変わっていないか、タイトルや見出しが変更されていないかなどを確認し、リライトや内部リンクの強化といった改善策を講じます。

サイトリニューアルの業者選びで失敗しないための3つのポイント

リニューアルを制作会社に依頼する場合、パートナー選びが非常に重要です。以下の3つのポイントを確認しましょう。

  1. SEOの実績や知見が豊富か デザインは得意でも、SEOの知識が乏しい制作会社は少なくありません。リニューアルにおけるSEOの成功事例があるか確認しましょう。
  2. リニューアル時のSEO施策を具体的に説明できるか 「SEO対策もやります」という曖昧な返答ではなく、「リダイレクト計画はこのように進めます」「URL構造はこのように設計します」と、本記事で解説したような内容を具体的に説明できるかを見極めましょう。
  3. 公開後のサポート体制は整っているか 公開後のモニタリングや改善提案までサポートしてくれる会社であれば、より安心して任せることができます。

まとめ:戦略的なサイトリニューアルでビジネスを加速させよう

サイトリニューアルは、多くの工数がかかる一大プロジェクトです。しかし、そのプロセスには多くのSEOリスクが伴います。

成功の鍵は、**「準備段階で現状を徹底的に分析し、公開前のチェックを抜け漏れなく行い、公開後も継続的に改善する」**という一連の流れを正しく実行することです。

今回ご紹介した手順とチェックリストが、あなたの会社のサイトリニューアルを成功に導き、ビジネスをさらに加速させる一助となれば幸いです。

法人のお客様窓口

まずは、無料マーケティング診断をご利用ください。

お急ぎの場合は下記よりお電話いただけますとご対応いたします。

080-3649-2004

受付時間:10:00~17:00(土・日・祝日を除く)

個人のお客様窓口

御社のビジネスモデルのヒアリングをさせていただき、最適なプランをご提案いたします。

お問い合わせフォームよりご連絡くださいませ。

080-3649-2004

受付時間:10:00~17:00(土・日・祝日を除く)

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

2018年よりマーケティング業界でフリーランスとしてキャリアをスタート。複数の企業で経験を積んだ後、2020年にはスタートアップ2社の成長に貢献。

そして2024年には、上場を控える企業のコンサルティング部門立ち上げに参画し、わずか1年で売上2億円を達成するチームへと成長させました。

この確かな実績と、現場で培った豊富なノウハウを活かし、「コンサルティングから実務まで一気通貫で支援する」という理念のもと、2025年にMCOTを創業。企業のマーケティング課題を解決へと導くべく、尽力しています。

目次